Thorvaldsens Museum
世界初の「個人美術館」— 極彩色の壁に包まれた新古典主義彫刻の殿堂
Photo: Daderot(CC0)
基本情報
概要
デンマークを代表する新古典主義彫刻家 Bertel Thorvaldsen(1770〜1844)の作品だけを収める、世界で最初の「一人の芸術家に捧げられた美術館」。黄土色を基調に赤・青を効かせた鮮烈な外観と、古代を思わせる荘厳な内部空間で知られる。
ローマで名声を得た Thorvaldsen が 1838 年に帰国した際、国民的英雄として迎えられ、彼の全作品・収集品を収めるための美術館が公募寄付によって建設された。中庭には Thorvaldsen 自身の墓があり、美術館そのものが彼の終の棲家となっている。
歴史的背景
建てられた経緯・年代
1838〜1848 年建設。1837 年に始まった市民の募金運動を機に、コペンハーゲン市と国民の支援で建てられた。Thorvaldsen は完成を見ずに 1844 年に没した。
建築家・建築様式
設計は Michael Gottlieb Bindesbøll。古代ギリシャ・エジプト・ポンペイの様式を融合させた独創的な作風で知られる。
古代ギリシャ建築を基調に、エジプト風の台形の巨大な扉やポンペイ風装飾を取り入れた折衷的な新古典主義。古代の神殿・墓廟を思わせる記念碑的な空間構成を特徴とする。
収蔵品・美術様式
収蔵作品は新古典主義(Neoclassicism)彫刻。古代ギリシャ・ローマ彫刻の理想美を規範とし、明晰な輪郭・静謐な均整・白大理石の純粋さを追求する 18〜19 世紀の芸術運動である。
増改築・被災・修復
外壁の極彩色は、古代ギリシャの神殿や彫刻が実際に彩色されていたという着想を Bindesbøll が持ち込んだもので、当時のコペンハーゲンでは物議を醸した。大規模な焼失・改築の記録は特になし。
時代背景
建設された 19 世紀前半はデンマーク「黄金時代」で、国外で成功した Thorvaldsen の帰還は国家的アイデンティティの象徴として熱狂的に迎えられた。
必見
1838 年に Thorvaldsen が船でローマから帰国する様子を市民の行列として描いた帯状壁画。
中庭中央に置かれた巨匠自身の墓。
彼をローマで一躍有名にした出世作。
コペンハーゲン大聖堂の名作の石膏原型。
神話の恋人たちを繊細に彫った代表作。
各展示室ごとに異なる色彩豊かな天井装飾。
館内の周り方
1 階の大作彫刻ギャラリー → 中庭の墓 → 上階の絵画・古代コレクション・素描室の順。
実用情報
| 営業時間 | 火〜日 10:00–17:00 |
|---|---|
| 定休日 | 月曜 |
| 料金 | 単券 110 DKK |
| 予約 | 不要 |
| city pass | 対象(無料) |
出典
- Thorvaldsen Museum — Wikipedia https://en.wikipedia.org/wiki/Thorvaldsen_Museum(取得日 2026-07-05)
- Thorvaldsen's Museum — Danish Architecture Center https://dac.dk/en/magazine/places/thorvaldsens-museum-the-first-temple-of-art-37(取得日 2026-07-05)