The David Collection
西洋屈指のイスラーム美術コレクションを、貴族の邸宅で無料鑑賞できる隠れた名館。
Photo: Orf3us(Public domain)
基本情報
概要
コペンハーゲン中心部、Kronprinsessegade 沿いの歴史的タウンハウスに入る私設美術館です。弁護士・実業家・美術収集家の C.L. David(1878-1960)が生涯かけて集めたコレクションを核とし、彼の設立した財団によって運営されています。入館は無料で、静謐な邸宅空間そのものが展示の一部となっています。
3 つの柱、すなわちイスラーム美術、18 世紀ヨーロッパ美術(デンマーク含む)、デンマーク近代美術で構成されます。とりわけイスラーム美術部門は北欧最大かつ西洋でも十指に入る規模で、スペインからインドまで、7〜19 世紀の広大な時代・地域を網羅します。
歴史的背景
建てられた経緯・年代
建物は 1807 年築のタウンハウス。1810 年に C.L. David の曽祖父 C.N. David が購入し 1830 年に手放したが、1917 年に C.L. David が再取得して居住し、上階を一般公開しました。財団は 1945 年 12 月 12 日設立、美術館としての開館は 1948 年です。
建築家・建築様式
展示空間は建築家 Carl Petersen(1874-1923)が 1918-1920 年に最上階を改築して整備。陶磁コレクション用の展示室は弟子 Kaare Klint(1888-1954)が 1928 年に設計。1990 年の増築とその後の大改修は、ルイジアナ近代美術館の設計でも知られる Vilhelm Wohlert が手がけました。
外観は 19 世紀初頭コペンハーゲンの新古典主義(Neoclassicism)のタウンハウス様式で、端正な比例と抑制された装飾が特徴。内部は住宅の室内装飾を活かした親密な展示空間になっています。
収蔵品・美術様式
主軸はイスラーム美術(細密画、陶磁、金工、織物など)と、デンマーク近代絵画(1880-1950 年頃)。
増改築・被災・修復
1918-1920 年に Carl Petersen が最上階改築。1928 年に Kaare Klint が陶磁展示室を増設。1986 年に隣接する Kronprinsessegade 32 を取得、1990 年に Wohlert がイスラーム細密画ギャラリーを新設。2006-2009 年に大規模改修を行い、2009 年 5 月 15 日に再開館しました。
時代背景
建物が建った 1807 年前後は、ナポレオン戦争下でイギリス海軍がコペンハーゲンを砲撃した激動の時代。一方コレクションの中核が形成された 20 世紀前半は、C.L. David のような富裕な個人収集家が私財を投じて公共美術館を築いた、デンマーク私設ミュージアム文化が花開いた時期にあたります。
必見
水晶を果実の形に彫り出し、金とルビーを象嵌した宮廷工芸の逸品。
Wohlert 設計の専用ギャラリーに収蔵。西洋有数の質を誇ります。
柄や鞘に宝石を散りばめた武具。
Kaare Klint 設計の展示室に並ぶ、ラスター彩などの名品群。
マイセン磁器や銀器も含む、ヨーロッパ装飾芸術の粋。
創設者 David が収集した自国近代美術のセクション。
館内の周り方
上階のイスラーム美術部門をじっくり巡ってから、ヨーロッパ/デンマーク美術のフロアへ降りる順路が分かりやすいです。
実用情報
| 営業時間 | 火〜日 10:00–17:00(水は 21:00 まで) |
|---|---|
| 定休日 | 月曜 |
| 料金 | 無料 |
| 予約 | 不要 |
| city pass | 対象(元々無料) |
出典
- The David Collection – Wikipedia https://en.wikipedia.org/wiki/The_David_Collection(取得日 2026-07-05)
- Museum History – davidmus.dk https://www.davidmus.dk/museum-history(取得日 2026-07-05)