Spot Guide ・ コペンハーゲン

Designmuseum Danmark

ロココ様式の旧王立病院に宿る、北欧デザインの殿堂。「デンマークの椅子」約 100 脚が圧巻

ロココ様式の旧王立フレデリクス病院を活かした Designmuseum Danmark の建物

Photo: Patti Manolis(CC BY 2.0)

美術館(デザイン・工芸) 🟢 推奨

基本情報

住所Bredgade 68, 1260 Copenhagen 最寄駅地下鉄 M3/M4 Marmorkirken 駅 公式サイトdesignmuseum.dk 地図Google マップ

概要

コペンハーゲンの Frederiksstaden 地区、Bredgade 68 に建つデンマークを代表するデザイン・装飾美術の専門美術館。18 世紀ロココ様式の旧王立フレデリクス病院を活かした建物自体が見どころで、デンマーク・モダンの家具、陶磁器、テキスタイル、ポスターなどを幅広く収蔵する。

最大の目玉は常設展「The Danish Chair(デンマークの椅子)」で、Hans Wegner、Arne Jacobsen、Kaare Klint ら巨匠による約 100 脚の名作椅子を一堂に展示。20 世紀デンマーク家具デザインの黄金期(1920–1970 年代)を体系的にたどれる世界屈指のコレクションとして知られる。

歴史的背景

建てられた経緯・年代

建物は 1752–1757 年、国王 Frederik V の治世下に「王立フレデリクス病院」として建設された。デンマーク初の公立病院で、貧しい患者に無償の治療を提供することを目的とした。

建築家・建築様式

設計は Nicolai Eigtved と Lauritz de Thurah。両者は隣接する Frederiksstaden 地区や Amalienborg 宮殿広場の都市計画・建築を手がけた 18 世紀デンマークを代表する宮廷建築家。

様式はロココ。左右対称の中庭を囲む優美な低層構成で、病室を採光の良い長い回廊として設計し、ベッド 1 台の寸法を基準に機能的・衛生的な動線を確保した点が特徴。当時としては先進的な病院建築だった。

収蔵品・美術様式

デザイン運動としては「Danish Modern」を中核に据える。Kaare Klint(デンマーク家具デザインの父)を起点に、Hans J. Wegner、Børge Mogensen、Arne Jacobsen、Verner Panton らが牽引した、機能主義と職人技・自然素材を融合した中世紀家具デザインを軸に展示する。

増改築・被災・修復

1920 年代に建築家 Ivar Bentsen と Kaare Klint が病院を美術館用途に改修し、1926 年に開館。2020 年から約 2 年かけた大規模改修を経て、2022 年 6 月 19 日に 8 つの新常設展とともに再オープンした。

時代背景

建設された 18 世紀半ばは啓蒙主義の時代で、Frederik V のもと王都近代化事業 Frederiksstaden の一環として、貧民救済という社会的使命を帯びて病院が建てられた。20 世紀にはデンマーク家具が国際的評価を確立し、その拠点として美術館の役割が高まった。

必見

Round Chair (Model JH501)
Hans J. Wegner ・ 1949 ・ Danish Modern

「The Chair」の愛称で知られる代表作。1960 年の米大統領選ケネディ討論会でも使われた。

CH24 Wishbone Chair (Y-chair)
Hans J. Wegner ・ 1949 ・ Danish Modern

明王朝の椅子に着想を得た Y 字型背もたれとペーパーコード座面。現在も生産が続く世界的ロングセラー。

Ant Chair (Model 3100)
Arne Jacobsen ・ 1952 ・ Danish Modern / 成形合板

一枚の成形合板と細い金属脚による軽量スタッキングチェア。

Panton Chair
Verner Panton ・ 1960(量産化 1967 頃) ・ ポップ/プラスチック成形

一体成形プラスチックのカンチレバー椅子として画期的な作品。

Valet Chair
Hans J. Wegner ・ 1953 ・ Danish Modern

背もたれが上着掛けを、座面下が小物入れを兼ねる機能美の椅子。

Kaare Klint の家具群
Kaare Klint ・ 1920s ・ 機能主義の先駆

人体寸法の研究に基づく合理的家具。デンマーク・モダンの源流。

The Danish Chair 展示空間
会場構成:Boris Berlin ・ 2016 ・ 展示デザイン

ヴォールト天井の長い回廊に約 100 脚を白いケースで彫刻のように並べる展示手法自体が必見。

館内の周り方

エントランス・中庭から入り、まず「The Danish Chair」常設展でデンマーク家具の全体像を把握。続いて陶磁器・テキスタイル・ポスターなどの常設展と企画展を回り、中庭の庭園や併設カフェで休憩。

滞在目安1.5〜2.5 時間。椅子コレクションをじっくり見るなら 2 時間以上 撮影個人利用の写真撮影は一般に可能(フラッシュ・三脚は不可の場合あり)。企画展は撮影制限がある場合あり。要確認 混雑を避けるコツ開館直後の午前中は比較的空いている。夏季と週末は混みやすいため平日午前が狙い目 バリアフリー改修時にバリアフリー対応が強化されており車椅子でのアクセスに配慮。詳細な段差・エレベーター情報は公式で要確認

実用情報

営業時間土 10:00–18:00
定休日月曜
料金単券 140 DKK/人
予約不要
city pass対象(Copenhagen Card なら無料、有効期間内のみ)
月曜休館。企画展の入替時期は一部展示が見られない場合があるため、訪問前に公式サイトで開館状況を確認のこと。

アクセス

地下鉄 M3/M4 Marmorkirken 駅から徒歩約 3〜5 分。

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出典